『華厳経』に説く「十種戒」について
とりあえず、大乗経典・論書を見ていくと、「十種戒」という概念を採り上げているので、それを見ておきたい。仏子よ、菩薩摩訶薩、十種戒有り。何等をか十と為すや。いわゆる、不壊菩提心戒、離声聞・縁覚地戒、饒益観察一切衆生戒、令一切衆生住仏法戒、一切菩薩学戒戒、一切無所有戒、一切善根迴向菩提戒、不著一切如来身戒なり。60巻本『華厳経』巻37「離世間品第三十三之二」・・・あれ?八戒しか無くない?譬え、離声聞・縁覚地戒を、2つに割ったとしても九戒になりそうな気がするけど、これは大丈夫なのだろうか?あ、『華厳経』には別訳があるので、そちらも見てみよう。仏子よ、菩薩摩訶薩、十種戒有り。何等をか十と為すや。いわゆる、不捨菩提心戒、遠離二乗地戒、観察利益一切衆生戒、令一切衆生住仏法戒、修一切菩薩所学戒、於一切法無所得戒、以一切善根迴...『華厳経』に説く「十種戒」について